公立保育士のメリット・デメリット|12年働いて感じた安定と働きにくさ

公立保育士のメリット・デメリット 保育士の仕事・働き方

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💬「公立保育士って、やっぱり安定しているの?」

そう聞かれたら、私は「安定はしていたよ」と答えます。

休暇制度や福利厚生には何度も助けられましたし、毎月のお給料や退職後のお金についても、ある程度の見通しを持って働けました。

ただ、公立保育士には、生活を支えてくれる安定がある一方で、制度があっても使いづらい雰囲気や、組織の中での逃げにくさがありました。

この記事では、公立保育園で12年間働いた私が感じたメリットとデメリットを、できるだけ正直に紹介します。

※この記事では、私自身が子育てをしながら働いた経験から、特に育児との両立に関するメリット・デメリットを多く取り上げています。

公立保育士のメリット🕊️

私が感じた一番のメリットは、やはり福利厚生が整っていることです。

子育てをしながら働いていた時期には、休暇制度や育児に関する制度に何度も助けられました。

① 子どもの看護休暇を利用できる

特に助かったのは、子どもがインフルエンザなど長期休みが必要な病気にかかったときです。

私が勤務していた自治体では、子どもの看護休暇を利用できたため、年次有給休暇を減らさずに子どもの看病ができました。

子どもの体調不良は、こちらの予定に合わせてはくれません。

何日休むことになるのか分からないなかで、「この休みですべての有給がなくなるわけではない」と思えたことは、大きな安心につながりました。

看護休暇以外にも、休む理由に応じて利用できる制度が複数ありました。

② 育児と仕事を両立するための制度があった

私が勤務していた自治体では、未就学児の育児のために1日最大2時間まで勤務時間を短くできる「育児時間」という制度がありました。

私が利用した当時は、その2時間以内であれば給与が減らない扱いだったため、とても助かりました。

毎日のことなので、1日あたりの差は小さく見えても、1年間続けば家計への影響はかなり大きくなります。

短い時間で働きながらも給与が変わらなかったことは、子育て中の私にとって大きなメリットでした。

③ 給与が上がり、退職後の見通しも持ちやすかった

私が勤めていた自治体では、経験年数などに応じて給与が少しずつ上がっていきました。

条件に応じて退職手当も支給されるため、生活の見通しを立てやすい仕事だったと思います。

「この仕事だけで食べていけるのか」という心配は少なく、安定を重視する人にとっては大きなメリットです。

④ 健康診断や予防接種の助成があった

健康診断を受けられたほか、インフルエンザの予防接種にも助成がありました。

無料で受けられたり、少しの自己負担で済んだりしたことも、働き続けるうえでありがたかったことの一つです。

保育園は、子どもとの距離が近く、さまざまな感染症が流行しやすい職場です。

自分の体調を守るための制度があることは、安心につながりました。

公立保育士のデメリット🙅‍♀️

福利厚生が整っていても、働きやすかったわけではありません。

私が特に苦しかったのは、制度と職場の雰囲気に差があったこと、そして上司との関係で困ったときに逃げ場を見つけにくかったことです。

① 制度があっても、気兼ねなく利用できるとは限らない

育児と仕事を両立するための制度があり、時短勤務で実際に働くこともできました。

ただ、制度を利用できるからといって、周囲に気兼ねなく働けるとは限りません。

「正規職員なのに、また研修に出ないの?」

と遠回しに聞かれたり、遅番や当番に入れないことで、周囲へしわ寄せがいっているような圧を感じることもありました。

また、「私のときは…」と昔の苦労話を言われることもあります。

制度は少しずつ変わっていても、働く人の意識まで同じ速さで変わるわけではないのだと感じました。

② 有給休暇を取りづらい雰囲気があった

子どもの看護休暇などには助けられましたが、年次有給休暇そのものは気軽に取れる雰囲気ではありませんでした。

職員が休んでも、代わりの職員が補充されるわけではなく、その日にいる職員で保育を回すことが多かったからです。
配置上は必要な人数がいても、特に主担任が休みになると、残った職員の負担は増えます。

そのため、私の職場では、月に1〜2回程度でも、はっきりした理由がないと申請しづらいと感じることがありました。

そのため、毎年30日ほど残ることが多く、繰り越せる上限を超えた分は、お給料になるわけでもなく、静かに消えていきました。

休暇制度が充実していることは大きな安心です。

ただ、「制度として休めること」と「実際に休みやすいこと」は別でした。

③ 年功序列が強く、上司の意見が通りやすい

私が働いていた職場では、年功序列の雰囲気が強く、上の立場にいる人の意見が通りやすいと感じました。

意見を伝えても受け入れてもらえなかったり、相手が不機嫌になることで、それ以上話しにくくなったりすることもあります。

雇用が安定していることはメリットですが、その一方で、周囲が働きにくさを感じている職員とも「あの人に合わせておいてね」と同じ組織で長く働き続けることがあります。

その人が自分の上司だった場合、異動するまで状況が変わらないこともありました。

個人的なエピソードになりますが、育児休業から復帰するとき、私は子どもの慣らし保育を終えた4月中旬に復帰したいと伝えていました。

育児休業に入る前から園長の了承を得ていたため、その予定で入園準備も進めていました。

ところが、復帰前の面談で「年度初めから出勤できないのか」と言われました。

いや、前にOKって言ってたよね……?

すでに慣らし保育の日程は決まっています。園長との間で起きた問題なので園内では相談先を見つけられず、自治体の保育担当部署へ連絡しました。

担当者が間に入ってくださり、最終的には当初の予定どおり復帰できました。

ただ、園内で一番上の立場にいる人と意見が食い違ったとき、どこへ相談すればよいのか分からない。その逃げ場のなさは、公立保育園で働いていて苦しかったことの一つです。

④ 地域独自のルールに戸惑うことがある

自治体が運営する保育園だからこそ、地域とのつながりを感じる場面もあります。

地域に詳しい人と協力しながら、地域に合った保育ができたときは、とても心強く感じました。

一方で、「ここでは昔からこうしているから」という理由で、意見を受け入れてもらえない場合もあります。

地域独自のルールを知らずに意見を伝え、冷たい目で見られたこともありました。

良くも悪くも、仕事の進め方に地域の人間関係や慣習が影響する職場でした。

⑤ さまざまな家庭への対応が求められる

公立保育園には、さまざまな家庭の子どもが通っています。

子ども思いで、園の保育にも理解を示してくださる保護者の方と、温かい関係を築けることもありました。

その一方で、こちらの言葉や対応を常に厳しく見られているように感じる場合や、家庭への支援が必要なのではないかと感じるケースも多々ありました。

もちろん、これは公立保育園だけに限った話ではありません。

ただ私の勤務経験では、園の保育方針よりも「家から近い」「通勤途中に預けやすい」といった理由で園を選ぶ家庭も多く、幅広い価値観や生活背景に合わせた対応が求められました。

いろいろな家庭と関われることは学びにもなりますが、難しい判断や調整が続くと、負担を感じることもありました。

人事異動はメリットにもデメリットにもなる

公立保育士として働くうえで、人事異動は避けて通れないものの一つです。

人間関係に悩んでいる場合、異動やクラス替えによって、合わない人と離れられる可能性があります。

同じ園に残ったとしても、担当クラスや一緒に組む職員が変わるだけで、気持ちを切り替えられることもありました。

「来年度は環境が変わるかもしれない」と思えることは、つらい時期を乗り越える支えになります。

一方で、働きやすい園や信頼できる先生と離れなければならないこともあります。

保育の進め方や地域の雰囲気は園によって異なるため、異動するたびに新しい職場へ入り直すような大変さがありました。

同じ自治体の職員であっても、どの園で、誰と働くかによって、働きやすさは大きく変わります。

人事異動は、合わない環境から離れられるきっかけになる一方で、慣れた環境や人間関係を手放すことにもなると感じました。

公立保育士に向いている人

私の経験から、公立保育士として働きやすいのは、次のような人だと思います。

  • 安定した給与や福利厚生を重視したい人
  • 同じ地域で長く働きたい人
  • 人事異動や環境の変化に対応できる人
  • 周囲の意見に流されすぎず、自分の保育の軸を持てる人
  • 家から職場までの距離が近い人

特に、勤務する自治体やその近くに住んでいることは、子育てとの両立に大きく関わります。

私が勤務していた園では、通常勤務が17時15分までの日もあれば、遅番で19時近くまで園に残る日もありました。

残業が発生することもあります。

家や子どもの預け先が遠いと、お迎えに間に合わなかったり、帰宅がかなり遅くなったりします。

自分や夫の親が近くに住んでいるなど、困ったときに頼れる人がいれば、より働きやすいと思います。

もちろん、核家族の人が公立保育士になれないわけではありません。

ただ、通勤時間や遅番の日のお迎えをどうするのかは、採用試験を受ける前に具体的に考えておいたほうがよいポイントです。

そしてもう一つ大切なのが、自分の軸を保てることです。

長く働いている人や役職のある人の意見が強い環境でも、「私は子どもたちのためにこうしたい」と考え続けられる人、折れない心を持っている人は、公立保育士に向いていると思います。

12年前に戻ったら、私は公立保育士を選ばない

福利厚生には助けられましたし、生活の安定という意味では、本当にありがたい仕事でした。

素晴らしい先生との出会いもあり、公立保育士として働いた12年間が無駄だったとは思っていません。

それでも、今の知識を持ったまま12年前に戻れるとしたら、私は公立保育士を選びません。

もう少し私立園なども見て、自分の保育観に合う職場や、働き方の自由度がある職場を探すと思います。

安定している職場が、必ずしも自分にとって働きやすい職場とは限りません。

まとめ|安定だけでなく、生活との相性も考えて選ぼう

公立保育士には、休暇制度や福利厚生、給与面での安心があります。

一方で、制度があっても利用しづらい雰囲気、年功序列、上司との問題が起きたときの相談の難しさなど、組織の中で働くからこその大変さもありました。

公立保育士を目指すときは、「安定しているから」という理由だけで決めず、次の点も考えてみてください。

  • 自宅から無理なく通勤できるか
  • 遅番や残業の日に、子どものお迎えをどうするか
  • 家族や周囲の支援を得られるか
  • 人事異動や人間関係の変化に対応できそうか
  • 周囲に流されず、自分の保育の軸を持てそうか

メリットとデメリットのどちらも知ったうえで、自分の生活や性格に合う働き方を選ぶことが大切です。

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